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【食材】阪急阪神ホテルズに見るメニュー偽装問題について

≫阪急阪神ホテルズ社長が謝罪

大阪のホテル運営会社「阪急阪神ホテルズ」のホテルなどが、メニューの表示と異なる食材を使っていた問題で、出崎弘社長が記者会見して謝罪し、みずからの役員報酬を当面の間、20%減額するなど役員らの処分について明らかにしました。
「阪急阪神ホテルズ」の出崎社長は問題発覚後、初めて記者会見し、「あってはならない事実が判明した。信頼を裏切り、ご迷惑をおかけしたことを心よりおわびする」と謝罪しました。
そのうえで、出崎社長は報酬の20%を当面の間、取締役6人と監査役3人については報酬の10%を6か月間減額する処分を明らかにしました。
また、親会社の阪急阪神ホールディングスの角和夫社長が報酬の50%を、当面の間、自主的に返納する意思を示していることも明らかにしました。
一方、会社側は問題のメニューの食事をした人に対して返金するとしていますが、24日朝9時の時点で、合わせて3480人から申し出があり、返金額はすでに1000万円余りに上っているということです。
出崎社長は「会社の監査や審査の態勢が不十分だった。自分が陣頭に立って組織や意識の改革を行い、信頼回復に取り組んでいきたい」と述べ、辞任の考えはないことを明らかにしました。


≫阪急阪神ホテルズのレストランの嘘だらけのメニュー事件、そのまとめ

先日「この話、どう思います?」と聞かれましたので、調理師だの何だのは関係なく、一般的な食べ歩き好きオヤジというスタンスでちょっとだけ書こうかなと思います。
しかしながら、今までいくつもの飲食店に在籍し、経験したことを赤裸々に書いてしまうと、現在営業しているお店の不利益になる可能性が有りますので、その辺は出さないようにして書くつもりです。
正直に話したことによってクレーム出されても困りますから(笑)

はっきり言いまして、こういうことはザラに有ります。
有ってはいけないんだけど有ります。
食べ歩きをしていても、普通に有りますよね。
例えば「九条ねぎ」ですが、「これ、どう考えても違うよね」っていうお店も有ります。
他の食材でも、毎日大量に使うものに関しては「これ、生産間に合っているの?」と思うものがたくさん有ります。
それが全国展開なんていうことになれば、珍しい食材ならば余計に生産が間に合わなくなり、代用品を使わなくてはならなくなるでしょう。
業界で「○○○○○は○○○で代用するのが当たり前」的なものも有りますしね。

私の好きな回転寿司ですが、今回のような話が出て「それはいけないよ」ということになれば、運営出来なくなる企業が出て来るかも知れません。
「ヒラメのエンガワ」でなく「カレイのエンガワ」、「アナゴ」でなく「ウミヘビ」と表記しなければならなくなるお店が出て来るかも知れません。
そうなれば、真面目にやっている企業にもダメージが有るでしょう。
同類だと思われるかも知れませんので、迷惑な話です。

このように食べ物は、ある程度の誤魔化し(代用)がきくものだと思います。
良くも悪くもです。
このメニューをたくさんのお客さんに楽しんで頂きたい、その為に食材を安い輸入モノにして安価で提供出来るようにする、というのは素晴らしい企業努力だと思います。
安い食材をひと手間かけて調理し、安く美味しく提供する、というのも素晴らしい。
今回批判されているのは、原価を下げ、その差額を企業側の利益にしたからですよね。
お客様に還元されていない。
要するに、企業側の利益を上げる為に大切なお客様をバカにしてお金を取っていたから批判されているわけです。

食材の選択や調理方法は色々。
どの企業も、いかに原価を削って提供するかを考えています。
これについての私の結論は「美味しければいい」です。
値段に見合った美味しいものを出して頂けるならば、それでいい。
「国産を使っています」と書かれている食材が輸入モノであったりしても、衛生面(体に害が有るかどうかも含めて)がしっかりしていて、美味しく食べさせて頂けるならばそれでいいと思っています。
逆に、料理人のスキルが無いことを誤魔化す為に高価な食材を使い、我々に負担をさせるお店は遠慮したいです。
私は「○○○産」というような食材のブランドに感動する為にその店に行くわけでなく、その料理の美味しさに感動したいだけなのですから。

数年前から、いちいち産地表示をしているお店に対して身構えるようになりました。
「ほら、こんなに良い食材を使っているんですよ、だから値段が高いのはしょうがないんです」と、若干深読みになってしまうかも知れませんが、料理のスキルが低いことの言い訳を聞かされているように感じますし、正直、そういうお店の料理に感動したことはほとんど有りません。
ちょっと前まで「無化調」という言葉が流行っていました。
それをウリにしているお店も有りました。
私の少ない経験から言いますと、「体に良い」や「添加物・化学調味料不使用」と謳っているお店の味は、ひと味足りないものが多く有りました。
無添加・無化調で美味しいお店は、わざわざ「無化調」と謳わないんですよね。

確かに偽装はいけないことだと思います。
しかし、私も料理をしますのでそういう立場から言わせて頂けるならば、食べ手を考えて行う若干の誤魔化しはOKだと思うんですね。
例えば食べ手が物凄くお腹が空いていて、矢も盾もたまらない状態だったとします。
いつもならばここでひと手間掛けるのですが、このひと手間が無くても十分に美味しいし、早く出してあげたいから今回はひと手間抜いたと。
これは(時と場合によっては)OKだと思うんです。
臨機応変に、食べ手に合わせたものだったら良い。
「嘘も方便」ということですね。

今回は「原価を下げたい」という気持ちが、どちらに向かっているかという問題だと私は思いました。






ここまでで終わっておけば、普通のオヤジのお話。
そこで終わらないのが、ひねくれ物の私のお話(笑)

偽装はいけません。
「今回企業はいけないことをしましたよね」というスタンスを維持しつつ…

一番最初にに思ったのは、今までどうしてお客様が誰も気付かなかったのかということなんですよ(笑)
あぁいう場所で食べる人達というのは、我が家のような貧乏家庭ではないわけでしょう。
ま、私にはそういうこと(どういう人が行く場所なのか)さえも良く解っていないわけですが、お金持ちでなければいけない場所だっていうのは間違っていないんじゃないでしょうか。
そういう人達は今まで高価な料理をたくさん召し上がっていると思うので、食べたものがメニュー表記と違えば誰か一人ぐらいは気付いてもおかしくない、いや、気付かない方がおかしいとさえ思ってしまいます。

企業側は返金するって言っていますけど、私がそのお客さんならば、気付かなかったことが恥ずかしくて返金手続きしたくないなぁ(^^;

「お前は料理やっているから解るだろうが、料理なんかしない俺達には解らない」っていうご意見も有るかも知れません。
「ごもっともです」
と言いたいところですが、例えば私のような身分の人間がたった一度しか行けないようなホテルで、たった一度しか口に入れない料理を頂いたっていうなら別ですが、高級ホテルでディナーを食べている人達って、「人生で一度きり」なわけないですよね。
またどこぞの高級ホテルでディナーを頂くという機会が有るはずです。

誰にでも「初体験」というものが有って、二十歳のお祝いに高級ホテルでディナーをし、初めてフォアグラを頂いたとしましょうか。
その時は初回ですから本物かどうかは解らないとして、二度、三度と食べるうちに、前回との違いとか、それが明らかに今まで食べたものより劣っていた場合、そこに気付かないわけがないですよね。
今まで、誰一人として、どの食材の偽装も気付かなかったなんてことが有るはずがないでしょう。

今回解ったこと。

高級料理を頻繁に食べている金持ちが(は)、必ずしも味が解る人とは限らない。

「遠慮」も有るとは思うんですけどね。
良くも悪くも日本人の特徴です。
でもなぁ… 出来ればたくさんのお客さんからクレームが出て欲しかったですかね。
あのホテルのお客さんは、それほど食に興味が無い人ばっかりだったのかなぁ。

【2013.10.29 追記】

当初1000万円だった返金額が、倍以上になったようです。
あの社長の会見もいけませんでしたねぇ。
あれでは料理人が全員バカっていう話になってしまいます。
お客側にすれば「そんな料理人が作るものなんか食べたくない」ということになります。

ですが。

もしもそんなどうしようもない料理人ばかりだったとして、じゃあ会社側がどうなのかといいますと、全く良い方向に向かないんですね。
そんなどうしようもない社員を雇用し、その料理人達にきちんと指導出来なかったわけですから、全責任は会社に有ります。
あんな言い訳で少しでも責任逃れ出来ると思った上層部こそ、頭が悪いと思ってしまいますねぇ。

責任を押し付けられた料理人達、もうそんな会社に居るべきではないのでは?
きっとまた何か有れば、責任を押し付けられるに決まっていますから。
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